2022年06月24日

離婚時に住宅を売却するときの注意点

養育費の負担と住宅ローン返済

未成年の子どもがいる夫婦の離婚では、養育費の負担が問題となります。
さらに住宅ローンの返済が残っている場合は、返済負担との兼ね合いも考慮する必要があります。
子どもが住む住宅の住宅ローン返済は、養育費には含まれないのが通常です。
しかし離婚したいずれか一方が住宅ローン返済と養育費の両方を支払うのは過重な負担となる場合が多いため、調整が必要になります。

共有名義(連帯債務)の場合

自宅が夫婦の共有名義になっていた場合は、売却するときに名義人全員、つまり夫婦の合意が必要になります。
自宅を売却して清算することに合意できれば、あとは売却して住宅ローンが完済できるかどうかの問題になるわけです。
もし住宅ローンの残高が売却価格を上回るオーバーローンの状態であれば、売却できずにどちらか一方が住み続けるケースも少なくないでしょう。
この場合、住宅ローンが連帯債務であれば、住まなくなった一方にも住宅ローンの返済義務が残ることになります。
連帯債務では夫も妻も同等に返済義務を負う形になります。
もし妻が自宅に住み続け、夫がローン返済に協力的でなかった場合、金融機関は妻に夫の分のローンも返済するよう求めることが可能です。
この場合は連帯保証とは異なり、妻が「まず夫に返済するよう催促してほしい」と主張することができないので注意が必要です。

どうしても住宅ローンを完済できない場合は?

自宅を売却しても住宅ローンを完済できないものの、どうしても売却したいという場合は、「任意売却」という選択肢があります。
任意売却とは、住宅ローンが残った状態の住宅を、金融機関と合意のうえで売却する方法です。
売却できれば住宅に設定されていた金融機関の抵当権は抹消されますが、ローンについてはその後も無担保での返済が続くことになります。
任意売却は住宅ローンの返済が滞った場合の解決方法ですが、競売とは異なり立ち退きや売却を強制されるわけではありません。
また競売では市場価格より大幅に安く落札されてしまうケースが多いのですが、任意売却であれば不動産会社を通じて市場で売却されるので、通常の売却と変わらない価格で売れるメリットがあります。
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