最近の裁判の判例では、大家さんに30万円の慰謝料の支払いを命じています。あくまでも緊急連絡人であり、逮捕された借主の残置物の処分についての承諾があるとは認められないという。
以前のとおりの生活を直ちに続けることができなくなったものと認められ家財一式を失ったことによって賃借人に一定の精神的苦痛が生じたもとの判断です。一つの裁判所の判例です。ケースバイケースで 違う判決になることが予想されます。
大家さんが取り付けた設備の所有権は大家さんにあるが、残置物の所有権は大家さんと入居者、どちらになるのだろうか。
前の住人が大家さんに「不要な家具や家電を残していく」と伝え、大家さんが了承した場合、所有権は貸主である大家さんにあります。
しかし、大家さんに相談せず、勝手に不要な家具や家電を置いていってしまった場合は、以前の入居者側に所有権があります。
「身寄りがないんだから、大家さんのほうで処分しても大丈夫でしょう。と、考える人もいますが、残置物は、借主の相続財産ですので、処分する権利は大家さんにはありません。
相続人に、残置物の処理をしてもらうのが、一番良いのですが、現実的には相続人と借主は疎遠になっている場合が多く、なかなか動いてもらえません。一方、大家さんの費用で処分をする方法だと、廃棄費用は掛かりますが、相続人の同意は得やすく、短期間で手続きが終了するケースが多いと思われます。
借主が行方不明になっても、賃貸借契約は有効に存続しています。家具やガラクタ類は行方不明でも借主の所有物ですから、これを勝手に処分すると、「どろぼう」ということになります。裁判で判決をもらい、強制執行によって処分する必要があります。
大家さんと借主との間で、「残置物がある場合には、借主は残存物についての所有権を放棄し、大家さんがこれを処分することに異議を述べない。」との趣旨の覚書等を残しておくことも方法だと思います。
上町不動産
代表 森谷信実のプロフィール(資格)
※ (FP)ファイナンシャルプランナー
※ 宅地建物取引士
※ 賃貸不動産経営管理士
※ 任意売却取扱主任者
※ 損害保険募集人